Art & Technologyアートとテクノロジーについて

身近なところにあるアート&テクノロジー

ここでは身近な所にあるアート&テクノロジーとして3つ例をあげようと思います。

4.クラウドファンディング

1〜3までとは少し切り口を変えて、最近注目されている「クラウドファンディング」
身近なアート&テクノロジーの一例といえるかもしれない、と思い調べてみることにしました。

「クラウドファンディング」とは、インターネットを通して
クリエイターや起業家が不特定多数の人から資金を募ることをいいます。
群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、製品開発やクリエイティブ分野などで利用されることが多いです。
わたしが見つけたのは、「CAMPFIRE」というサイトで実施されていたクラウドファンディングです。

このCAMPFIREでは、現在12,000件以上のプロジェクトが520,000人以上の人々から総額51億円を集めているそうです。

そのなかで、おもしろい事例を見つけました。
東京の京谷中エリアにある築58年の木造アパートを改修し、ギャラリー・カフェ・ヘアサロン・デザイン事務所などを擁する
文化複合施設へ生まれ変わらせるというもの。
2013/01/17にクラウドファンディング上で募集を開始し、90人の支援により679,833円の資金を集め、2013/02/20に募集を終了。
これにより、東京・谷中に新たな文化拠点が誕生しました。

ここに至るまでのプロセスを見てみましょう。
1955年から木造アパート「萩荘」として、また2004年からは美大学生によって、アトリエ兼シェアハウスとして使われてきたこの拠点は、2011年の東日本大震災をきっかけに、老朽化のため解体する方針になっていました。
このエリアでは、「萩荘」解体の前にも、近所の皆から愛されていた銭湯が突然なくなっていた、というようなことがあり、
東京の古きよき景色が次々となくなっていくことに対して、無力感を感じていた方も多かったとか。

そこで2012年2月、解体に先だって入居者一同より大家さんへの最後のお願いとして
グループ展「ハギエンナーレ2012」を企画し、開催しました。
萩荘に集っていた学生やアーティストたち約20名が、建物全体を使って作品を展示したところ、
3週間の展示期間で1500人もの方々来場。
この予想外の盛況を受けたことによりこの建物の価値が見直され、計画は一転。
なんと、改修され、「HAGISO」という名で新たに生まれ変わることになったそうです。

HAGISOには、ギャラリー・カフェ・ワークショップスペース・ヘアサロン・アトリエ・デザイン事務所など、
さまざまな要素が複合される予定です。
これにより、単一の目的を果たしに来るので終わるのではなく、予期せぬ出会いの場となることを目指しています。

インターネットというテクノロジーやメディアの力を使って、アートと融合させることで、
有機的なつながりをもった「場」をつくることができた、
これはすばらしい試みだと思います。

参照:CAMPFIRE
   https://camp-fire.jp/pages/about
   https://camp-fire.jp/pages/about

さて、このHAGISOのある谷中は、東京の東側・谷根千の名で親しまれるエリアで、多くの路地や寺院、商店街など、
東京の昔ながらの風情を残しつつ、近年は現代アートギャラリーなども多く点在する場所です。
JR日暮里駅・地下鉄千駄木駅より徒歩5分、谷中銀座から一歩横道に入ったところにあります。

千駄木の街についても調べてみたところ、
懐かしさと新しさ。静けさと賑わい。利便性の高さと豊かな情緒。暮らしやすさと文化の薫り。
それらが程よく調和した街で、緑を身近に感じられる環境と高いアクセス性など利便も兼ねているのが魅力な街。
千駄木駅付近には、大名時計博物館、旧安田楠雄邸庭園、森鴎外記念館などもあり、
文学や歴史などを身近に感じられる落ち着いた雰囲気だそう。
洒落たカフェや個性的なグッズを扱う店も増えていたり、ギャラリーが集まるアートの街としても注目を浴びています。
近年では、上記の事例で挙げたように、古い建物を新しく生まれ変わらせるリノベーションは、一般的な住まいにおいても
主流になってきているようです。きっと昔からあった素敵なもの、愛着のあるものに新しい息吹を吹き込むような
感性や考え方が少しずつ浸透しているのでしょう。

HAGISO以外にも、千駄木駅付近でおしゃれなギャラリーを発見しました。
こちらも落ち着いた東京下町の情緒を残す、谷根千界隈(谷中・根津・千駄木)で住居として使用されていた趣のある
築30年のマンションの一室を改装し、ギャラリーとして2006年4月にオープンした「千駄木空間」
千駄木駅より徒歩5分のところにあります。

絵画や写真以外にも立体や映像などアート作品の展示、商品の展示会や
さまざまなイベント・ワークショップなどが行われています。
下町の空気と解け合いながら、貸しギャラリー、レンタルスペースとして、さまざまなかたちで活かされています。

参照:千駄木空間 http://www.sendagi-kukan.com/
   Let's ENJOY TOKYO https://www.enjoytokyo.jp/museum/spot/l_00052390/




もう1つ、街の美容院が地域活性化のためにクラウドファンディングを利用した例を紹介します。
事例は、わたしの出身である名古屋市南区にある美容院「alfRed」。
深夜24時まで営業している美容院です。
働く人にとって、美容院は休日に行くものというイメージがありますが、深夜まで開いていれば、
仕事帰りに行くこともできるし、近くにあれば、とても便利です。
この美容院は、以前から周辺地域の店舗とつながって、共に地域を盛り上げていきたいと考えており、
クラウドファンディングを利用、地域の店舗を紹介するリーフレットや看板を制作していました。

引用:『アルフレッド』のブログ

美容院は、接客業の中でもお客さんとの距離が近く、コミュニケーションをとる時間も長いです。
施術中の会話の中で、様々な情報交換をするでしょうし、地域のお店とつながることで、
より親近感が持てる密なコミュニティが広がっていきそうだと感じました。
また、クラウドファンディングを自店舗の利益だけのためではなく、他店とともに地域住民のために
という視点で利用している点も良いと思います。

その後、この美容院は、メンズ専門サロンを新たにオープンしています。
男性専門の店にすることで、行きやすくなるお客さんを増やしていく。
これだけ美容院の多い日本で、他店との差別化にもなるのではないでしょうか。
また、男性美容師が長く働ける居場所づくりをしたい、など様々なことを考えているようです。

今後、この美容院がどんな取り組みをしていくのか、楽しみです。
熱い思いを持った店の人たちが力を合わせて街を盛り上げていく、
そんな街なら住まう人にとっても魅力ある街になっていくのだと思います。

実際、名古屋市南区は住み心地も良いです。
JR、地下鉄、名鉄が通っており、高速道路や国道、環状線など主要な道路も網羅しているため、
通勤や休日に出かけるのもとても便利です。
街の雰囲気は昔ながらの下町情緒を残しながらも、ショッピングモールなどの新しい施設が充実しています。
なんと公園は70ヶ所以上あるのです。緑が多く、わたしの癒しスポットの一つにもなっています。

参照:alfRed https://alfred-2013.net/
   名古屋市南区の物件をさがす https://familia-hs.co.jp/buy/minami/

ちなみに、現在放映中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」でも、名古屋市南区のスポット「笠寺観音」が登場しています。
ここは、織田家の人質 松平竹千代(のちの徳川家康)と今川家の人質である織田信広との交換が行われた場所だそう。
笠寺観音を中心に南北に広がる笠寺台地は歴史上、政治的・軍事的にも重要な場所で、
戸部城・戸部一色城・櫻城・山崎城・星崎城・市場城・笠寺寺部城など、多くの城が置かれていたそうです。

当時の様子は分かりませんが、歴史を知れば知るほど、文化的な背景が見えてくる。
そこから、芸術やアートとの接点も増やしていけそうですね。

ARIE
arienoatorie@yahoo.co.jp