Art & Messageアートとメッセージについて私の考え

澤田知子さんの作品はとても独創的で興味深かったです。
自分で写真を撮らない写真家ということで新しいアーティストだと新鮮味を感じたことを覚えています。
作業自体は専門知識や才能のいらない単純なことなのですが、
証明写真やお見合い写真をもアートにしてしまうという誰にも真似できないような発想がすばらしかったです。

メッセージとしては、外面がいかに表面的なものかという問題提起をアートにこめて社会に打ち出していくというもの。
ここから社会矛盾への鋭い洞察力がうかがえました。

「外見で変わる人の判断、変わるはずのない内面」といったテーマをかかげ、
彼女自身が持っていたコンプレックスを逆手にとったアートからは、うったえたい気持ちがよく伝わってきました。
「人って結局、外見で判断されるんやなぁ」私もそう感じたことが過去にありました。
特に女性は気にしてしまいがちな自分の外見。
でも、外見より内面が大切だという強い思いがこめられた作品からは、
励ましの気持ちや共感の気持ちを覚えることができました。
日ごろ矛盾を感じてはいるものの、見過ごしてしまいがちな社会問題を指摘する作品には思わず惹かれてしまいました。
それに澤田さんの作品からは、オリジナリティあふれるアイデアや、
社会をとらえる敏感なまなざしこそがアートには大切なのだ
ということを思い知らされました。
そして、自分が持つ問題意識を形にして社会に打ち出すことはひとつの大切な行為ではないかと思いました。

また、H先生もおっしゃっていましたが、「チャンスは誰にでもある」ということは澤田さんの例からもよく分かったし、
私にとっても大きな励ましになったと思います。
作品づくりを通して澤田さん自身もコンプレックスを受け止め、大いに成長されたとも聞きました。
若い頃にはちょっとしたことがきっかけで人生がガラっと変わることもあるんだなぁと思い、
チャレンジ精神の大切さも学ぶことができました。
そういう澤田さんは周りの環境にも恵まれていたのかもしれません。

今まで私は生まれ持った才能が人の人生を左右すると思っていましたが、
アートの世界は本当にフェアなのだということを改めて感じることが出来たのもこの作品に出会えたおかげだと思います。
そして、現代美術において女性や若い世代が進出しどんどん活躍している姿はとても輝かしく私の目に映っています。
同年代くらいの若者が大舞台へと羽ばたいていく姿は私に大きな可能性や夢を与えてくれたのです。

作品紹介ID400 セルフポートレート作家 澤田知子氏

街中の証明写真機で衣装メーク表情を変え400人の自分を撮影したセルフポートレートシリーズ。
現にある自分こうありたいという自分そして他人が見る自分・・・。
揺れながら果てしなく増殖していく「自分」のイメージに切望と夢若さがない交ぜになって現出する。
「人はいったい何を見ているんだろう」という根源的な問いかけアイデンティティの揺らぎを直視するエネルギーが満ちる。
2003年度の木村伊兵衛写真賞 ICP(The Twentieth Annual ICP Infinity Award of Young Photographer)を電撃受賞。
「外見と内面の関係」をテーマに一貫して写真作品をつくってきた澤田の原点ともいえる作品。

引用:http://www.seigensha.com/books/4-86152-012-6
   https://www.fujifilm.co.jp/photomore/interview/sawada/index.html

ARIE
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