「アートは才能じゃないんだよ」
最初の授業でH先生がおっしゃった言葉は、とても衝撃的でした。
私の考え方を大きく変えたからです。芸術家=才能ある人。ずっとそう思っていました。
小学校・中学校時代、美術嫌いの子が「私って絵の才能ないんだよね」とよく言っていたっけ。
当時知っていたゴッホやピカソも天才と呼ばれ、芸術家としての成功は天性の才能だからこそと思っていたし、
アートの才能がなければ、自己表現もできないのかなと思ったりもしていました。
でもそれは大きな誤解でした。アートには才能以外にもっと大切なものがある。
それを教えてくれたのがこの授業でした。ああ、これがアートなのかという驚きと新鮮さを実感しました。
社会に対する鋭い目、内なる強い思い、ユニークなアイデア、これらがアートにとって大事な要素だと分かったのです。
私が特に影響を受けた作品は二つ。
椿昇+室井尚氏の「インセクト・ワールド 飛蝗(ひこう)」と、澤田知子氏の「ID400」です。